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2014.03.26 センター試験廃止議論のその後とオーストラリアの高校卒業試験
2014.01.18のトピックスでお話した、センター試験廃止について、新たな記事がありましたのでご紹介します。
文部科学省は3月6日の中央教育審議会
(文部科学相の諮問機関ですが、メンバーの選定は官邸の意向に沿った方を選ぶとの話もあります....)
で『達成度テスト・発展レベル(仮証)』で一点刻みの「素点」も大学側に提供する検討案を示しました。
もともと「知識偏重の選抜にならないように成績をグループで表示する」と言う改革だったはずですが、
受験生が多い大学から「現状でも同じ点数に多くの学生が集中するため、段階別では選考が難しい」
と反論され、それに文部省が折れた形でした。
しかし、一点刻みの素点を出すと現状のセンター試験と同じになってしまいます。
中教審部会はこの文部省案を検討し3月25日に報告案を以下のようにまとめました。
現状の大学入試センター試験に代えて「達成度テスト・発展レベル(仮称)」を導入するべきであるが、
実施回数や時期は引き続き検討が必要である。
また、6日に文部省が示した一点刻みの「素点」の大学への提供は、
現行試験の見直しを提言した政府の教育再生実行会議の意見を尊重し削除されました。
加えて、従来の各科目ごとのテスト以外に、知識や技能、体験をもとに正解の無い課題に挑戦する
能力を測るため、教科の枠組みに縛られない総合型の試験も検討するべきであるとの報告になりました。
5、6年後の実施に間に合うか否かとの意見もありますが、文部省は今年の4月に
パブリックコメント(意見)を募集し中教審が今年の夏に文部大臣に答申することになっています。
ニュースソースは(2014年3月6日、3月25日の YOMIURI ONLINE)
オーストラリアの高校卒業試験(Queensland Core Skills(QCS)Test)は通常の試験
(マークシート及び短い記述形式)の他に、筆記の試験があり、
教科の枠組みに縛られない正解の無い試験で隠れた能力を評価するようになっています。
この試験で所定の点数を取らないとYear12Certificate(高校卒業資格)がもらえないことになります。
その後、通常の学業成績及びQCS testの結果から各学生のOverall Positions (OPs)が算出されます。
また、大学は各学科毎に足切のOPを公表していますので、学生はそれをもとに自分が入学できそうな大学を
数校選び、願書を提出し(有料)入学可否が判定されます。
教科の枠組みにとらわれない、正解が無い筆記試験であるライティングテスト(2013年9月実施)の問題を
参考までに下記に掲載します。
問題は
ダイヤグラム(図)(下記)に基づいてストーリーを書きなさい。(時間は2時間)
評価の項目は
①アイデア
②使用するボキャブラリー(英単語)
③Responsiveness(図からの反応性)丸みがついた部分や他の要素の下に入り込んだ部分の適切な説明
④グラマー(英文法)、パンクチュエーション(句読点)、スペル
⑤段落構成と順番
⑥長さ600単語以上(A4用紙約3枚)
が評価項目です。
文章は
①エッセイ
②ショートストーリー
③スピーチ
④メディア記事
⑤記録
⑥伝記
⑦手紙
⑧ドラマ
⑨レポート
の形式のどれでも良い。(但しPoem(詩)は不可)
という内容です。
Queenslandの高校生全員がこれを受験し、採点するわけですから評価者も大変だと思います。
今迄の日本の試験では、全く見当がつかない意表をついた出題だと思います。
参考の考え方として
この図をキッチンに見立てて順番通りに進むと料理ができる。
この図をオーストラリア大陸と見立てて商品の売り上げ状況を書く。
この図を世界地図と見立てて......等々いろいろなものが考えられます。
採点は大変ですが隠れた能力を見つけるには良いテストだと思います。
毎年、異なるダイアグラム(図)が出題されます。
私も苦労しましたが・・・IELTS試験の意義・必要性が、TAFEや大学で
『現地の高校卒業生と同等に授業について行くことができる証明になる』と言う根拠は、
この辺りからきているのかなと思います。
(2014.03.26)
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